吉岡徳仁さんの「クリスタライズ」に行ってきたよ!

今年最初のひとりお出かけは、意外にも推しごとではなく、展覧会でございました。
ハイソ!!!
行き先は現代美術館で、開催中の展示をふたつハシゴ。
…というわけで、今日明日と連続で展覧会のレポートになりますよ。たぶん。
まずは「クリスタライズ」のほうから。

今週末で終わってしまう、この展示。
ずっと行きたかったけど機会がつくれなくて『もう行けないやー、諦めるかー…』と思っていたところに、夫が娘とふたりでデートしてくれることになり、ひとり時間がとれたので急いで行ってきました。
行けて良かった…。

吉岡徳仁「クリスタライズ」

以下、パンフレットからざっくりと引用。

人はなぜ、自然に心を動かされるのか。それをどのように感じとっているのか。自然自体には美をつくりだす能動はなくても、それをつくりだすエネルギーに満ちています。
展覧会のタイトルでもある「Crystallize(クリスタライズ)」には、「自然のエネルギーを結晶化し作品を生み出す」という意味が込められています。自然から生み出された、人間の想像を超えた造形。その作品は、人の心を動かす自然と、そこに潜むエネルギーに感応して、自らを造化します。それは、造形や技法という概念からの解放です。
私の未来への答えがそこに存在しています。

もうとにかく、ひたすら美しい展示でした。
これまで、ひねった現代アートとかを割と観てきて、自分の中で、『どこかにひねった部分があって、解釈が必要なものがアート』みたいな目線ができていたんですけど、それがまっさらになりました。
アートってこんなにストレートに訴えかけてきてもいいんだよね、と。
コンセプトの高尚さに頷くんじゃなくて、美しいものにただ見惚れてしまうだけでいいんだなぁ、と。
そんな展示でした。

作品数はそれほど多くないんですけども、ひとつひとつが、ずっと見続けていたいと思えるようなものばかりで、時間が許すなら1日中でも居たかったです…。

特に私を惹き付けたのが、ふたつめの展示エリア。結晶の絵画も美しかったし、中央に据えられた、水槽の中でつくられた(つくられ続けている)「白鳥の湖」と題された結晶も、本当に美しかったです。
いろいろな角度から何度も何度も眺めても飽きたらないほど、美しかったです。

そしてこの「白鳥の湖」以上に見いってしまったのが、「虹の教会」。
見た瞬間にためいきがでたし、本当にその場にへたりこんでしまうほどに、圧倒的な美しさでした。
500個のプリズム(パンフレットの説明から引用。)から作り出される光は、たぶん、日ごとに違った柔らかさの光と虹を生み出しているはずで、『いまこの瞬間だけの虹』と思うと、さらにその奇跡に涙まで出そうになったほど。

吉岡徳仁「クリスタライズ」

「自然のエネルギーを結晶化し作品を生み出す」という意味では、「蜘蛛の糸」と題された作品も印象的でした。
これは、わずか7本の糸を結晶化させることによって、椅子を作り出してしまった作品。
係員さんの説明とともに、結晶化前の原型を見て、本当に衝撃を受けました。自然って凄い、と。

他にも、何度か誌面で見たことのあるウォーターブロックやハニーポップといった椅子も観られたし、もう十分すぎるほど十分に楽しめました。
ただ、時間の関係で、50分ほどの映像作品を泣く泣く諦めることになったのだけが残念です…。

会場はけっこう混んでいて、こういう展示を観るひとたちがたくさんいるのは、ものすごく良いことだよなー、と嬉しかったです。
鑑賞料は安いわけではないし、そもそも美術館の場所からして意外と不便なのに、チケット売り場は20分の待ちでしたし。
こういう美しい作品が、観賞後も、きっとたくさんひとたちの心のなかで育ち続けていくであろうことは、本当に本当に素敵なことだと思いました。
私の中でも、まだ育ち続けています。余韻は消えるどころか、日増しに大きくなっていっている、そんな展覧会でした。
興味を持っている方は、ぜひぜひ!!!